口の中が乾くことで様々な悪影響が現れる「ドライマウス(口腔乾燥症)」。口内細菌の増加によって息が臭い状態になってしまうのも、代表的な症状の一つです。
今回は、ドライマウスが原因の口臭の改善法についてまとめます。
ドライマウスの症状
ドライマウスとは、唾液の分泌量や質の低下によって口の中が乾く症状です。口内が乾燥することで、下記のような様々な症状が現れます。
ドライマウスと口臭の関係
口の中が乾くことが原因で、息が臭い状態になることがあります。これは、唾液量の減少によって口内の自浄作用が低下してしまうためです。
私たちの唾液にはリゾチームという酵素が含まれており、口内の細菌を殺菌して洗い流す働きを持っています。しかし、唾液の分泌量が低下すると口内細菌が増殖しやすくなり、臭いの元となるガスを発生させるため、口臭が強くなってしまうのです。
また、ドライマウスによる舌苔(ぜったい)の増加や、虫歯や歯周病リスクの上昇なども口臭を悪化させる原因となります。
ドライマウスの原因
ドライマウスの主な原因には、下記のようなものがあげられます。
ストレス
唾液の分泌は自律神経によってコントロールされています。そのため、疲労やストレス等が原因で自律神経のバランスが乱れると、唾液量が減少して口の中が乾く原因となります。
口呼吸
口呼吸の癖がある場合、口内が乾燥してドライマウスの症状が現れることがあります。
加齢
加齢に伴い体内の水分量が減少すると、唾液の分泌量が減少して口内が乾燥しやすくなります。また、唾液の分泌は性ホルモンの影響を受けるため、特に更年期の女性等はドライマウスの発症リスクが高まることが知られています。
病気
糖尿病、腎不全、シェーグレン症候群等の病気が原因で唾液量が減少すると、口の中が乾く原因となります。
薬の副作用
抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、鎮痛剤など、薬の副作用によってドライマウスの症状が現れることがあります。
口の中が乾く時の改善法
口の中が乾く時の改善法として、下記のようなものがあげられます。
唾液腺マッサージ
唾液腺マッサージとは、耳の前の耳下腺や顎の骨の内側を指圧することで、唾液腺を刺激する方法です。唾液の分泌量を増やし、ドライマウスの改善に効果を発揮します。
こまめに水分補給をする
体の水分量が不足すると唾液の分泌量も低下してしまうため、口内の乾燥が気になる人はこまめな水分補給を心がけるようにしましょう。ドライマウスによる口臭が気になる人は糖分の多い飲み物を避け、お茶やミネラルウォーターなどを飲むのがおすすめです
咀嚼回数を増やす
咀嚼により唾液腺が刺激されると唾液の分泌量も増えてくるため、普段からよく噛んで食べることが大切です。噛みごたえのある食材を取り入れて、咀嚼回数を意識したメニューを心がけるのも良いでしょう。
また、ガムを噛むことも唾液の分泌量の増加に役立ちます。
口呼吸の改善
口呼吸の癖がある場合には、その防止に取り組むことがドライマウスの解消にもつながります。口呼吸の改善法として有名な「あいうべ体操」というトレーニングを取り入れてみるのも良いでしょう。
また、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎等による鼻づまりが原因で口呼吸になっている場合には、そうした原因疾患の治療がドライマウスの根本的な対策になります。
息が臭い時の対策
ドライマウスが原因で息が臭いと感じる場合には、ドライマウスの改善に取り組むとともに、口臭の対策をとっておくと安心です。
上述したガムのほか、口臭対策サプリメント等も販売されていますので、自分に合ったものを試してみると良いでしょう。
まとめ
今回は、ドライマウスが原因で息が臭い時の改善法についてご紹介しました。
口の中が乾くと、口内の自浄作用の低下によって口臭が発生しやすくなります。周囲の人に不潔な印象を与えてしまったり、口臭を指摘されて恥ずかしい思いをすることがないよう、早めの対策を心がけるようにしましょう。