唾液が少ないと口臭の原因に!? 口腔乾燥症の原因と唾液を増やす方法
口臭が発生する大きな原因の一つとして、唾液が少ないことがあげられます。特に、口腔乾燥症(ドライマウス)の症状がみられる場合には、口の臭いも強くなりがちです。
今回は、口腔内乾燥症の原因と唾液を増やす方法についてまとめます。
唾液量と口臭の関係
私たちの唾液には、殺菌作用のあるリゾチームという酵素が含まれており、口内の細菌を洗い流してくれています。唾液が少ない状態になると、口内の自浄作用が低下して雑菌が繁殖しやすくなるため、口臭が強くなる原因となります。
寝起きや空腹時、緊張やストレスにより生じる「生理的口臭」も、唾液が少ないことで発生する口臭のひとつです。これらは誰にでも起こる口臭で、一時的なものです。歯磨きや食事、リラックスをするだけでも唾液量が回復し、口臭が軽減されます。
また、糖尿病やシェーグレン症候群のような病気によって唾液が減少するケースもあります。このような場合には、原因疾患の治療を行うことが口臭改善のための根本的な対策となります。
口腔乾燥症(ドライマウス)とは
口腔乾燥症とは「ドライマウス」とも呼ばれ、その名の通り、唾液の減少により口腔内が乾燥する状態をいいます。
口腔乾燥症になると、口の中の粘つきや口臭、味覚障害などの症状が現れます。重症化するとさらに口臭は強くなり、口腔内の痛みや摂食嚥下障害を招いたり、舌の乾燥による発音障害が生じるケースもあります。
また、唾液が少ないことにより口内の細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周疾患が進行する恐れがあります。口腔内の細菌が原因で誤嚥性肺炎のリスクも高くなるといわれ、特に年配の方には注意が必要になります。
口腔乾燥症のチェック方法
口腔乾燥症のチェック方法の一つとして、ガムを噛んだ際の唾液の分泌量を確認する方法があります。10分間ガムを噛んで唾液の分泌を促し、溜まった唾液が10ml以下の場合は口腔乾燥症と診断されます。
日頃から、自分の唾液の状態を意識することも大切です。口腔乾燥症の軽度では粘つきのある唾液がみられ、中程度では小さい気泡が舌の上に泡立つような唾液が特徴です。重症化すると、舌や粘膜も乾燥した状態になり、喉の渇きも著しくなります。
異常を感じた時は、早めに専門家の診察を受けるようにしましょう。
口腔乾燥症の原因
口腔乾燥症の原因としては、下記のようなものがあげられます。
- ストレスによる唾液分泌の低下
- 口呼吸
- 糖尿病や高血圧などの生活習慣病
- シェーグレン症候群や甲状腺機能の異常による自己免疫疾患
- 放射線治療による後遺症
- 服用薬による副作用
- 加齢による唾液分泌の低下
- 咀嚼回数の減少による唾液分泌の低下
- 飲酒や喫煙、カフェインによる刺激や利尿作用による脱水症状
以上のような原因が唾液の分泌量を減少させ、口腔乾燥症を招くことで口臭へと繫がっていくといわれています。
病気が原因となっている場合にはその治療を行うことが根本的な対策になりますが、ストレスや租借回数、口呼吸など、日頃の心がけで改善できる要因もあります。口の渇きが気になる人は、普段から唾液を増やすための対策をとるようにすると良いでしょう。
唾液を増やす方法
手軽に唾液を増やす方法として、下記のようなものがあげられます。
こまめに水分を摂る
水分が不足すると唾液の分泌量も減少してしまいます。唾液が少ないと感じる人は、普段からこまめに水分を補給するようにしましょう。
コーヒーや砂糖の入ったジュースなどは口臭を悪化させる原因にもなるため、臭いの予防においては「水」がおすすめです。
唾液腺マッサージ
唾液を増やす方法の一つに「唾液腺マッサージ」というものがあります。
口腔内には3ヵ所の唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)が存在します。それぞれ「耳たぶの少し前」「顎の骨の内側」「顎の先端部の内側」を、痛気持ちいい程度の圧で10~15回ほど優しく円を描いたり、また指圧するようマッサージします。
咀嚼回数を増やす
咀嚼回数を増やすことも、手軽に唾液を増やす方法の一つです。
普段から咀嚼筋をあまり使わないでいると、唾液腺が萎縮して唾液の分泌量も減少してしまいます。意識して咀嚼回数を増やしたり、固めの食材を取り入れるなどの対策が有効です。また、食事の合間にキシリトールガムを噛むようにするのも良いでしょう。
口呼吸を改善する
口呼吸の改善に効果があるとされているのが、「あいうべ体操」という口のトレーニング方法です。
口を大きく動かし、「あー」「いー」「うー」「べー」と発音します。「べー」の時には、舌を下方向に突き出すようにすることがポイントです。複数回に分けて「一日に30セット」を目標に取り組むようにしましょう。
まとめ
今回は、口腔乾燥症の原因と唾液を増やす方法についてご紹介しました。
口腔内乾燥症は単に口内が不快に感じるだけでなく、口臭や虫歯・歯周病リスクの増加など、体へ様々な悪影響を及ぼします。唾液が少ない状態が続く場合には、普段の生活習慣の改善や専門科の受診など、早めの対策をとるよう心がけるようにしましょう。